この線は何でしょう?

トレーニング

日本の間口に合わせた突入(エントリー)については以前にも書いた。

さて、この写真、間口に張られたテープの意味はお分かりだろうか?

実は、突入を掩護するため、壁際から室内の脅威部分(フィアー)に対してガンロックを掛けているネイルマンの射線(銃口)の高さを示しているラインだ。ネイルマンを直訳すれば「釘付けにする人」だ。

室内の脅威部分が複数あればネイルマンも複数人必要になり、躱(かわ)さなければならない射線も更に複雑になる。

突入訓練というと、入り方や入る人に意識が行きがちだが、味方の掩護があってこそリスクの低減と成功の確率が上がるものだ。

突入隊員は、敵のみならずネイルマンの射線を常に意識下に置いて突入口を通過しないと味方のネイルマンに頭を撃ち抜かれることになる。ネイルマンは脅威の動きに集中しているため、仲間が自分の射線に入ったかどうかをイチイチ確認する訳にはいかない。この辺りの連携が阿吽の呼吸で出来るようになるまでは、形だけの突入訓練を繰り返しても成果は薄いだろう。

こういった訓練もエアガンを使うとよりリアルに体験できる。ネイルマンの射線に入れば突入時にBB弾が後頭部に当たることになる。死にはしないが相当痛い。だが痛みと引き換えに貴重な教訓が得られるのもエアガン訓練の良いところだ。

実銃を扱う自衛官の方々なら体験的に知っていると思うが、消炎制退器(フラッシュハイダー/マズルブレーキ)から左右に吹き出す発射ガスは大変高圧で危険だ。ネイルマンの射線に入らなくても場合によっては、その発射ガスで顔面や耳を負傷することも十分考えられる。これは自衛官が得意とする「気合いと根性」で対処できるものではない。空包用のゼロレンジアダプターは、安全に訓練できるが、やはり実弾の発射ガスの威力まで織り込んだ訓練を追求したいところだ。突入に特化した列国の特殊部隊がこぞって銃口部にサプレッサーを装着している理由も突き詰めれば当然とであることばお解りいただけるだろう。

GunTREXには、このようなハイレベルの訓練を「自主トレ」として取り入れているお客様が多数いらっしゃる。志あるあなたも仲間に加わってはいかがだろうか?

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