戦闘射撃において初弾を確実に命中させることは重要だ。
多くのインストラクターが力説しているし、コンバットシューティングの世界的権威、イチロー・ナガタ氏も自身のDVDで指導されている。
初弾の命中精度 = 射手の実力
そう言っても過言ではないだろう。
一般的な射撃競技では総合得点での勝負になるので”後半の巻き返し”もあり得る。
しかし、実任務(実戦)で初弾を外すことは、即ち相当な苦戦を強いられることになり、最悪”死”を意味する。
なぜなら敵も訓練された戦闘員であり、こちらが不正確な射撃で自らの位置を暴露してしまえば敵は撃ち返してくるだろう。敵の練度が優っていればジ・エンドだ。
かつて仕えた指揮官で「零(ゼロ)点設定の意義」の重要性を強く指導される方がいた。
つまり、各自が自分の個人装備火器の零点(照星・照門に付与する銃の個癖に応じた諸元)を常日頃から承知すること
そして、武器庫から銃を搬出する際は、安全点検とともに零点設定に狂いがないかを確認せよ。というものだった。
通常の射撃訓練であれば、射撃場でまず零点規正を行う。しかし、仮に明日防衛出動が下令されたとしたら、果たして展開先で零点規正をすることなど出来るのだろうか?というのが指揮官の危惧だった。
自分の小銃の零点をうろ覚えなら自信を持って任務に就くことは出来ないだろう。「前回からいじってないから大丈夫」という主旨のセリフを何度も聞いたが、官品である以上、一時管理替される場合もある。本人に知らされない場合もあることは知っているはずだ。
となると零点設定は、射手個人の責任と考えるのが妥当だろう。
以上のようなことを踏まえた上で初弾必中の練習を習慣化したいものだ。
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